MENU
アーカイブ

説教台の裏側で見たチョンミョンソク牧師の姿

白百合

先日、教会生活してきた中で頭が真っ白になる事件が起きました。

賛美歌伴奏の練習中、リハーサル開始45分前のこと。突然入った連絡に理解が追いついていない頭でなんとか内容を要約すると「明日の主日礼拝、聖歌隊の特別賛美で指揮をせよ(代理で)」というミッション。

教会には強制というものはなく、私自身”ちゃんと”一度は断ったりしたものの、状況の流れから「あ~(このミッションは)神様だ…」と悟って、結局指揮台に立つようになりました。

礼拝後、なぜこのようなことが起こったのか本当に不思議でしたが、答えはわからなかったです。

しばらくして教会の人から「指揮、お疲れさま」と、労いの言葉と一緒に百合の花があしらわれたプレゼントを見た瞬間、ちょうど5年前の今日、チョンミョンソク牧師に会って主日礼拝に参加したんだったと、急に思い出しました。

そういえばあの時も、急きょ予定が変更になった礼拝でした。

目次

月明洞(ウォルミョンドン)での礼拝

はじめてお会いしたのは先生の生まれ故郷、そして世界初の自然教会としてつくられた「自然聖殿」がある月明洞 (ウォルミョンドン)です。

その日はよく晴れた日で、早朝からとても暑い主日礼拝の日でした。

青々と生い茂る芝生は管理のためか散水されており、その様子を芝生の麓から見ていたときに聞こえてきたのは、”たくさんの人が月明洞に集まっているから、主日礼拝、礼拝堂では参加できないかもしれない”との情報。

少し残念に思う気持ちが意識のどこか遠くにありつつも、私は目の前に広がる美しい芝生の自然聖殿の方に心が向いてました。

しばらく芝生を見上げていると、ざわざわとした音と共に後ろからスーツを着た先生が現れ、芝生の上の方を見上げていました。
偶然にもたまたま隣りにいた私が見た先生は目を細めていて、それは眩しいからか、それとも何か思案しているのか表情からは読めませんでしたが「急いで、急いで(散水している)水を止めなさい」と芝生を管理している人に指示をしてました。韓国語で早く、速くを意味する「빨리(パリ)」を繰り返し口にしていたのを今でも記憶しています。

どうやら礼拝堂に入り切らないほど、多くの人が主日礼拝を捧げに集まっているから、本礼拝前に一部礼拝として自然聖殿で礼拝を捧げようと先生が取り計らってくれたということが後になってわかりました。

そして夏だから少し待てば芝生が乾いてくるだろうけど、みんなが水に濡れないようにと、一人一人に簡易的な敷物としてビニール袋が配られました。

礼拝前の最後の準備時間に誰よりも集中しなければならないその時間にも関わらず、想定外の状況下で現場に直接足を運び、最大限皆が一番良い形で神様に礼拝を捧げられるようにと、細かいことまで配慮する先生の姿は聖書でイエス様が語られたある一節を描写しています。

しかし、あなたがたは、そうであってはならない。かえって、あなたがたの中でいちばん偉い人はいちばん若い者のように、指導する人は仕える者のようになるべきである。

ルカによる福音書22:26

説教台の裏側で見たチョンミョンソク牧師の姿とは

日本から神様に賛美をしようと持って来ていた楽器を持ち歩いていたからか、声が掛かって私も急きょ礼拝奏楽に参加することになりました。

自然聖殿の芝生は緩やかな傾斜になっていて、人々はその芝生に座ります。群衆に向き合うように講壇が芝生の麓に設置され、そして奏楽席は講壇の後ろ側に配置されました。

通常、御言葉を伝える説教者が立つ講壇以外はすべて向かい側に設置されるので、普段なかなか見られない配置です。

そのため私は先生の後ろ姿を見ながら神様の御言葉を聞いていましたが、私が見た先生の後ろ姿は、説教の初めから終わりまで変わりませんでした。

説教が進めば進むほど私の目が点になるしかなく、今でも一番強く印象に残っている先生の姿です。

人々は暑さに汗を拭い、日傘を差す、ごく当たり前の動作をしながら説教を聞いていました。一方先生はというと、スーツで正装され、真夏の日差しを正面から浴びて誰よりも暑いはずなのに、その場だけ冷房が効いているのかという位、水も飲まないほど集中し、心情を注ぎ込んで真摯に神様の御言葉を伝えていました。

私が幼い頃から慣れ親しんだ音楽は楽器演奏のため、歌のように歌詞はなく、音だけといった非言語コミュニケーションをする分野ですが、10代の頃は当時師事していた師匠の鞄持ちをしながらプロが演奏する姿や指導をする様子、平素物事に取り組む姿勢など、その背中を見てたくさん学んでいました。

そのようなこともあって、音・言葉を通して伝わってくる”気(精神)”だとか、佇まいから伝わってくる非言語情報は私にとって重要なものであり、それらのものはとても真実で言葉よりも伝わってくるものが多く、否定することができない力をもっていると考えます。

足をきれいに揃えまっすぐに立つ姿は、神様に一心に向かう誠実な姿勢を表したよう。20年以上にわたる山での修道生活、戦場でもどこででも命を愛した実践を物語る堅固さと大胆さなど、感じたことを言語化しようと思えば切りがありませんが、終始一貫変わらない姿勢で御言葉を伝える先生の背中はまさに行ってきた人の姿であり、「人として美しい」姿そのものでした。

先生のように行ってみた

チョンミョンソク牧師の指揮で初めて礼拝奏楽をしてからちょうど5年後、まさか自分が礼拝で指揮をするだなんて思ってもみなかったです。

主日の御言葉が伝えられる直前、神様に捧げる「特別賛美」というものがどれほど重要なのか知っているのでプレッシャーは甚だ大きく、しかし準備する時間はほとんどなく途方に暮れました。

5年前、月明洞に集まった群衆を前に先生がどのように礼拝をするか悩んだ時、自然聖殿で一部礼拝を捧げようという構想は神様に相談したことで受けたもので、先生は芝生で礼拝をするとは考えてもみなかったそうです。

また、指揮に関しては「先生は指揮台に上がる前にとことん神様に相談をする」と話されたことがあり、これしかないと思って私も実践してみました。

指揮の準備のため、礼拝前夜に神様やイエス様を呼びながら考えで対話し相談しているとき、それまで私が抱えていた”失敗したらどうしよう”、”大勢の人の前でいきなり指揮するなんて考えたくもない”といった心配や緊張感は一切なく、100%神様だけを考えていました。

チョンミョンソク牧師が作詞作曲された賛美歌は、実際に神様と共に行ったことや現実に成されたこと、月明洞に存在する自然万物、神様が行われたことやその心情がそのまま歌詞になり曲となった、いわばノンフィクション作品。

そのため、リズムや表現一つ一つに経緯と意味があり、イマジネーションではない明確でリアルな答えがあるのが賛美歌というジャンルの非常に興味深いところです。その答えとは神様と人間が経緯を共にしたことで生まれた「心情」や「熱量」、「感覚」といったものですが、地中から宝物を掘り出すように、楽譜の中から見つけ出せるのは演奏者冥利に尽きるなと心から思います。
本当に時間がないピンチな中でインスピレーションや構想を受けながら本当に神様は頼もしいと思ったし、共にする喜びを感じて終わった頃には逆になかなか寝れなかったほど(笑)

先生は本当にすべてのことを神様と一緒に行っているのだな、と同じように行ってみてほんの少し分かったような感じがしました。

「一緒に」というのは簡単なようで、大人になればなるほど難しいこと。しかし、神様に委ねてみることで不可能だと思ったことができるようになり、神様が共にされることを通して、自分がどれほど愛されているのかを感じました。

なぜ私が指揮をするようになったのか。

実践した後になってわかったことですが「先生は一体どのように神様を愛していますか?感覚を掴めるように教えてください」としばらくの間、神様に祈っていた答えでした。

私が摂理で学んだこと

聖書と実践哲学が土台にある摂理で聞いた御言葉と、実際に見たチョンミョンソク牧師の行いを通して神様とはどのような方なのか、いつも共にされる「神様の愛」とは何か、人生の理知から今まで知らなかった芸術まで多様に学んでいます。

摂理で7年御言葉を聞いて確信を持って言えるのは「神様を愛する生は美しい」ということ。

そしてもうひとつ付け加えるとしたら、御言葉で言われたことが必ず現実に成されることを通して、神様は本当に存在していて、共にしてくれるということです。

最後に後日談をひとつ。

指揮で神様に栄光を帰した翌日から「なんで?」と聞き返したくなる程、祝福が波のように押し寄せてきて本当に不思議に思ったんです。何としても答えを見つけなきゃ!と思って御言葉を読み返してみたら、5年前に月明洞で聞いた御言葉が成就したのだなと分かって、思わず笑みがこぼれました。

神様は、三位は、三位一体の神様は、我慢できない方です。

何かしてあげたいと思っていることがあれば、我慢できない。

神様は本当に信頼できる方です。

私たち人間は我慢できるけれども、神様は我慢できずにあげるのです。

主日礼拝で伝えられた御言葉より

 

 

この記事を書いた人
世界遺産 アンコール・ワット で仏教とキリスト教の共通点を発見したことで「真理」を知りたいと思い、社会人5年目でバイブルスタディを聞き始めた東京在住のwebデザイナー。
 
「同じ人間であるならば、明日生きられるかどうかわからない開発途上国の人が一瞬でも感動する時間があってもいいのではないか」と14歳の時に考えて、学生時代は音楽を学びました。
教会では奏楽(讃美歌の伴奏)をしています。

好きなこと:ドライブ、スキューバーダイビング
得意なこと:旅行プランを立てること

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次